前祭宵山  後祭宵山  後祭巡行
祇園祭 前祭巡行
 前祭(さきまつり)の巡行は7月17日に行われます。
 巡行のコースは、朝9時に長刀鉾を先頭に四条烏丸を出発し四条通を東に向かい
 四条河原町で北に向きを変え河原町通を北上、河原町御池で西に向きを変え、
 御池通を西進し新町御池まで巡航します。
 
 写真撮影の場所は、辻回しを撮るため河原町御池の角に決めました。
 河原町御池を先頭が通過する時間が、10時30分頃の予想なので9時30分頃付くように家を出ます。
 予定通り9時25分に河原町御池の交差点に到着しましたが、当たり一面人でごった返していました。
 まあ覚悟していたことなので、なんとか前の方で写真撮影ができるところを確保しました。
 
 それから巡行が到着するまで、ほとんど動けない状態で、立って待っているのは結構大変で、
 天気もそこそこ良くて、汗まみれになりながら辛抱強く待ちました。
  
 10時20分頃ようやく先頭がやって来て撮影開始です。
 しかし、前に大勢人がいるため、腕をいっぱいに上に伸ばしての撮影になります。
 そのため構図が安定していません。まあ何とか撮影出来ているのでご勘弁ください。
 
 それでは、古来より京都の夏を彩る祭りの熱気をご覧ください。


 祇園祭

氷の鉾
氷の鉾
河原町御池の北東の角
ホテルオークラの前に氷の鉾が飾られていました。
涼しげではありますが、実際は非常に蒸し暑い。


先頭長刀鉾の幟
長刀鉾の幟(10:18)
河原町御池の北東の角に陣取りました。
ようやく長刀鉾がやって来ました。
撮影時間も表示しておきます。


長刀鉾
長刀鉾(10:19)
いよいよやって来ました実に華やかです。
コンチキチンの祇園囃子と共に優雅に進んできます。
鉾先に大長刀を付けていることから長刀鉾と呼ばれます。
毎年(前祭)巡行の先頭を行く事になってます。


長刀鉾
長刀鉾(10:20)
鉾で唯一2人の禿(かむろ)と生稚児が乗っています。
前懸は上村松篁の下絵による花模様綴織。


長刀鉾 搭乗部
長刀鉾 搭乗部(10:20)
両脇に禿を従えた稚児が中央に見えます。
囃子方もご覧のようにはみ出して乗り込み、
中は、ぎっしり満員の様子です。
屋根の上には、屋根方の姿が見えます。


長刀鉾 辻回し
長刀鉾 辻回し(10:24)
山鉾巡行の最大の見所辻回しの様子です。
前輪の下に青竹を敷きその上に水をまき
先頭の4人の音頭方の「ヨイヨイヨイトセ ヨイトセー」
の掛け声に合わせて引き綱を横に引っ張ります。
前輪を横にすべらせることで方向転換をするわけです。
写真は、掛け声の最後「ヨイトセー」のところです。
側面の胴懸は中国珠取獅子図絨毯・十華図絨毯の復元品。


長刀鉾 後姿
長刀鉾 後姿(10:31)
3回の辻回しで方向を90度転換し、
御池通を西に移動して行きます。
この辺りの両側が有料席になっています。
見送は雲龍波濤文様綴錦(復元品)。


占出山
占出山(10:33)
御神体は神功皇后を模した人形
古くから安産の神として祀られ、巡行の鬮順が早いと
その年のお産が軽いと言われています。
今年は山一番でお産は軽くなりそうです。
前懸は日本三景宮島の綴錦(復元)。


占出山 山回し
占出山 山回し(10:33)
角まで来ると、担ぎ上げて方向を90度変えました。
鉾の辻回しに比べるとずいぶん簡単です。
この形式の山は舁山(かきやま)といい
元々人が舁いて(担いで)巡航していたものですが
現在は補助輪をつけて押して巡行し
角で方向を変えるときだけ担ぎ上げる方式となったそうです。
側面胴懸は松島・天橋立の綴錦(復元)。


占出山 後姿
占出山 後姿(10:34)
方向転換を終え西に向かいます。
見送は双龍宝尽額牡丹鳳凰文図の綴錦(復元)。


芦刈山
芦刈山(10:34)
御神体人形は芦を刈る老翁の姿。
夫婦和合の姿を表していると言われています。
前懸は、山口華楊原画の段通「凝視」。


芦刈山 山回し
芦刈山 山回し(10:35)
こちらも舁山で担ぎ上げての回転です。
胴懸は尾形光琳原画の「燕子花図」。


芦刈山 山回し
 芦刈山 山回し(10:35)
90度回転と思った所
サービス?で1回転多く回りました。
慌てて写真を撮りましたが、
そのためか後ろ姿を撮り忘れました。
写真がありませんが見送は山口華楊原画の綴織「鶴図」。


孟宗山
 孟宗山(10:37)
御神体人形は母のため冬に筍を掘る孟宗の像。
前懸は、中国の官服を直した紺地五爪郡龍図刻系。


孟宗山 山回し
 孟宗山 山回し(10:37)
こちらも舁山、担ぎ上げ回転です。
胴懸は、平山郁夫原画の「砂漠らくだ行(月)」。
写真の反対側は、「砂漠らくだ行(日)」。


孟宗山 後姿
 孟宗山 後姿(10:37)
回転を終え西に移動します。
見送は、竹内栖鳳作「白地墨画竹林図」。


函谷鉾 遠景
 函谷鉾 遠景(10:39)
次の鉾が来るまで少し間が空きました。
遠景で撮りましたが、人出の様子がよくわかります。


函谷鉾
 函谷鉾(10:44)
故事鶏鳴狗盗に因んで函谷鉾と名付けられました。
今、辻回しの準備中で待機している所です。
前懸は、旧約聖書創世記場面の16世紀末の毛綴織(復元)。


函谷鉾 搭乗部
 函谷鉾 搭乗部(10:44)
函谷鉾の搭乗部です。前懸の一部も見えます。
この稚児は、人形です。


函谷鉾 辻回し
函谷鉾 辻回し(10:47)
見どころの辻回しです。
これは最後の「ヨイト 」のあたりで
この後音頭方が「セー」で扇子を左に伸ばし
それに合わせて綱を引き、鉾を回転させます。
胴懸は、梅に虎の17世紀李氏朝鮮絨毯、
花文様インド絨毯、玉取獅子図中国絨毯の三枚。


函谷鉾 後姿
函谷鉾 後姿(10:52)
まだ完全に後ろ姿ではありませんが、
辻回しが終わった頃の様子です。
見送は、弘法大師筆(伝)紺地金泥の
金剛界礼懴文(復元)。


山伏山
山伏山(10:56)
御神体人形は、浄蔵貴所の像。
前懸は、雲龍文様の刺繍。


山伏山 山回し
山伏山 山回し(10:56)
これも舁山で担ぎ上げによる回転です。
胴懸は、花卉胡蝶文様の綴錦。


山伏山 後姿
山伏山 後姿(10:56)
方向転換後の後姿です。
見送は、龍波濤文様の綴錦(復元)。


綾傘鉾
綾傘鉾(10:58)
2基の傘鉾と棒振囃子の行列として巡行する。
巡行の各所で棒振り踊りが披露される。
稚児も歩いて参加します。


綾傘鉾 前の鉾の回転
綾傘鉾 前の鉾の回転(10:58)
前を行く傘鉾の方向転換です。
全体を持ち上げて回転させています。
こちらの鉾の垂りは、町在有志寄贈の綴錦「飛天の図」。


綾傘鉾 後ろの鉾の回転
綾傘鉾 後ろの鉾の回転(10:59)
後ろの鉾の方向転換です。
こちらは、後ろ側だけを持ち上げて回転しています。
垂りは、染織家森口華弘の「四季の花」。


伯牙山
伯牙山(11:00)
御神体人形は、琴の名人伯牙の像。
前懸は、「慶寿裂」。


伯牙山 山回し
伯牙山 山回し(11:00)
これも舁山で、担ぎ上げての方向転換です。
胴懸は、花卉尾長鳥文様の綴錦。

ここでも山の後姿を撮り損なっています。
ちらっと見えている見送は、「柳絲軒」在銘の仙人図刺繍。


菊水鉾 遠景
菊水鉾 遠景(11:04)
菊水鉾の全景を撮ってみました。
鉾は辻回しが有るためか、
前の山から遅れる傾向があるようです。


菊水鉾
菊水鉾(11:04)
菊水鉾の名は千利休の師、武野紹鴎邸内の
菊水井に由来します。
山鉾の中で唯一の破風造りの大屋根を持っています。
前懸は、皆川月華作「昇龍図」。


菊水鉾 辻回し
菊水鉾 辻回し(11:06)
おなじみ辻回しです。
うまく回ると、見物客から思わず拍手がわきます。
胴懸は、皆川月華作「麒麟図」。
反対側は同じく皆川月華作「獅子図」。


菊水鉾 後姿
菊水鉾 後姿(11:10)
辻回しが完了しました。
見送は、皆川月華作「孔雀花草図」。


太子山
太子山(11:11)
御神体人形は、少年像の聖徳太子です。
前懸は、緋羅紗地に阿房宮の刺繍(復元)。


太子山 山回し
太子山 山回し(11:11)
舁山であり、担ぎ上げによる方向転換です。
胴懸は、「金地孔雀唐草図」のインド刺繍。


太子山 後姿
太子山 後姿(11:12)
舁山の場合、通過が早いです。
見送は、「波濤飛龍図」綴織。


霰天神山
霰天神山(11:14)
山の上には唐破風春日造の神殿を置き
天神様をお祀りする。
前懸は、16世紀にベルギーで製作された
「イーリアス」物語を描いた毛綴織。


霰天神山 山回し
霰天神山 山回し(11:15)
舁山であるので、担ぎ上げての方向転換。
胴懸は、上村淳之下絵の「銀鶏図」綴織。
反対側は、上村松篁下絵の「白梅金鶏図」綴織。


霰天神山 後姿
霰天神山 後姿(11:15)
御池通を西に向かって巡航します。
後懸は、「紅地雲龍宝尽図」綴錦(復元)。
(見送を使っていない)


油天神山
油天神山(11:17)
町内にお祀りされていた天神様を勧請して作られた山。
前懸は、「瓜木波濤雲龍文」の繻子地錦


油天神山 山回し
油天神山 山回し(11:17)
舁山で、担ぎ上げによる方向転換。
胴懸は、前田青邨原画の「紅白梅図」綴織。


油天神山 後姿
油天神山 回転(11:17)
方向転換を終えて西に向かいます。
見送は、梅原龍三郎原画の「朝陽図」綴織。


鶏鉾
鶏鉾(11:19)
中国堯の時代天下がよく治まり訴訟用太鼓(諫鼓)も
用がなく苔が生え鶏が宿ったという故事による。
前懸は、ペルシャ絨毯「連花葉文絨毯」(復元)。


鶏鉾 辻回し
鶏鉾 辻回し(11:24)
鶏鉾の辻回し1回めの様子。
有料席からはちょっと遠い。あまり得ではない気がする。
胴懸は、草花文様のインド絨毯(復元)。


鶏鉾 後姿
鶏鉾 後姿(11:29)
辻回し終了です。
見送は、16世紀頃ベルギーで制作された飾毛綴織(復元)。
(画材は「トロイの王子と妻子の別れ」を描いたもの)


木賊山
木賊山(11:30)
御神体人形は、木賊を刈る翁。
前懸は、「唐人交易図」綴織。


木賊山 山回し
木賊山 山回し(11:30)
舁山であり、担ぎ上げの方向転換です。
胴懸は、飲中八仙図の綴織。


木賊山 後姿
木賊山 後姿(11:31)
回転が終わり御池通を西に向かいます。
見送は、中国明時代の「牡丹双鳳文金絲繍」綴錦(復元)。


四条傘鉾
四条傘鉾(11:34)
綾傘鉾と同じく古い鉾の形態を今に伝える傘鉾。
こちらの傘鉾でも棒振り踊りが披露されます。


四条傘鉾 回転
四条傘鉾 回転(11:35)
こちらは、後ろ側だけを担ぎ上げての回転です。
垂りは、鈴鹿雄次郎作「麗光鳳舞之図」。


四条傘鉾 後姿
四条傘鉾 後姿(11:35)
傘鉾の場合、前も後ろもあまり変わりませんが、
一応形として。


蟷螂山
蟷螂山(11:37)
御所車の屋根の上に大蟷螂が乗る。
この蟷螂、「からくり」により、鎌・首・羽が動きます。
前懸は、羽田登喜男氏の友禅染「瑞祥鶴浴図」。


蟷螂山 山回し
蟷螂山 山回し(11:37)
舁山ですが、担ぎ上げていません。
どうやらこの山の補助輪は左右に動くようです。
胴懸は、羽田登喜男氏の友禅染「瑞苑浮遊之図」。
反対側は、同じく「瑞光孔雀之図」。


蟷螂山 後姿
蟷螂山 後姿(11:37)
回り過ぎたようですが、これも演出の内か?
S字カーブで移動して行きました。
見送は、同じく羽田登喜男氏の友禅染「瑞苑飛翔図」。


月鉾 遠景
月鉾 遠景(11:41)
ここで、ずいぶん間が空きました。
炎天下ぼーっと待っているのはちょっとつらい。
ようやく月鉾がやって来ました。


月鉾
月鉾(11:42)
鉾頭に三日月を付けているのが名の由来です。
こちらの稚児も人形です。
前懸は、17世紀インド製メダリオン中東蓮花葉文緞通(復元)。


月鉾 辻回し
月鉾 辻回し(11:47)
おなじみ鉾の辻回しです。
「ヨイヨイヨイトセ ヨイトセー」ズズズーといった感じ。
胴懸は、18世紀トルコ絨毯(復元)。
反対側は、18世紀インド産ラホール絨毯(復元)。


月鉾 後姿
月鉾 後姿(11:51)
辻回しが終わり、移動を開始しました。
見送は、皆川月華作の「黎明図」。


白楽天山
白楽天山(11:53)
御神体人形は、道林禅師と白楽天の像。
前懸は、3枚つなぎで中央が16世紀ベルギー産のゴブラン織り。
(トロイ城陥落の時アイネイアスが父を救出する場面)


白楽天山 山回し
白楽天山 山回し(11:53)
舁山の担ぎ上げ回転です。
胴懸は、18世紀ベルギー産毛綴織「女狩人」。


白楽天山 山回し
白楽天山 山回し(11:53)
全体を見せようという配慮なのか
1回転多く回っています。
こちら側の胴懸は、17世紀フランス産ゴブラン織「農民の食事」。


白楽天山 後姿
白楽天山 後姿(11:53)
回転終わって西へ移動です。
見送は、山鹿清華作の毛織錦「北京万寿山図」。


保昌山
保昌山(11:54)
御神体人形は、手折った紫宸殿左近の紅梅の枝を
和泉式部に捧げる丹後守平井保昌の像。
前懸は、円山応挙下絵の刺繍「蘇武牧羊図」(復元)。


保昌山 山回し
保昌山 山回し(11:54)
舁山であり、担ぎ上げの方向転換です。
胴懸は、円山応挙下絵の刺繍「巨霊神白鳳図」(復元)。
反対側は、同じく「張騫に虎図」(復元)。


保昌山 後姿
保昌山 後姿(11:55)
方向転換を終え御池通を西に巡航します。
見送は、寛政10年作「福禄寿星図」綴錦。


郭巨山
郭巨山(11:55)
御神体人形は、郭巨と子供の像。
前懸は、上村松篁下絵の綴織「秋草図」。


郭巨山 山回し
郭巨山 山回し(11:56)
担ぎ上げによる方向転換です。
胴懸は、上村松篁下絵の綴錦「春雪図」。
反対側は、同じく「花の汀図」。


郭巨山 後姿
郭巨山 後姿(11:56)
回転を終え西に向かいます。
見送は、上村松篁下絵の綴織「都の春」。


放下鉾
放下鉾(11:58)
鉾の名は真木の天王座に放下僧の像を祀るのに由来する。
前懸は、花文様のインド・ペルシャ絨毯(復元)。


放下鉾 搭乗部
放下鉾 搭乗部(11:59)
ここの稚児人形は、人形師により稚児舞を披露します。


放下鉾 辻回し
放下鉾 辻回し(12:04)
「ヨイトセー」の辻回しです。
ドオーッと滑るときの迫力は凄いです。
胴懸は、花文様のインド・ペルシャ絨毯(復元)。


放下鉾 後姿
放下鉾 後姿(12:10)
辻回しを終えてやれやれの感が出ています。
御池通を西に向かいます。
見送は、皆川泰蔵作のローケツ染め「バグダッド」。


岩戸山
岩戸山(12:12)
山と言いながら鉾と殆ど同じように見えます。
違いは、真木ではなく真松であること、
稚児(人形)が乗らずご神体人形を乗せること。
この形式の山を曳山といい囃子方も乗せています。
前懸は、玉取獅子文中国絨毯。


岩戸山 搭乗部
岩戸山 搭乗部(12:17)
ご覧のように稚児人形は乗っていません。
御神体人形として、天照大御神・手力雄命・伊弉諾命を乗せる。
その伊弉諾命が大屋根の上に乗っています。


岩戸山 辻回し
岩戸山 辻回し(12:24)
山と言えど形が鉾と同じですから辻回しを行います。
気のせいか、段取りが悪くもたもたしていた感がありますが。
胴懸は、唐草文様インド絨毯。


岩戸山 後姿
岩戸山 後姿(12:31)
なんとか無事辻回しが終わりました。
西に向け移動開始です。
見送は、「日月龍百人唐子嬉遊図」綴織(復元)。


船鉾
 船鉾(12:32)
神功皇后をめぐる伝説により鉾全体を船の形をしている。
舳先には、金色の鷁が羽を広げている。
なんとも豪華な鉾です。


船鉾 辻回し
船鉾 辻回し(12:35)
他の鉾のように細長くないので、
辻回しにも安定感があります。
鉾の上には神功皇后と陪従する
磯良・住吉・鹿島の三神像を安置しています。


船鉾 後姿
船鉾 後姿(12:38)
辻回しが終わって御池通を去って行きます。
見送は、「龍と青海波」の和綴錦(復元)。
 
以上で前祭の巡行は終わりです。
如何でしたでしょうか。
少しでも祭りの雰囲気を味わっていただけたらと思います。
汗だくで、同じ所に立ちっぱなしで撮影していたので、
さすがに疲れました。
たっぷりと水分補給をして帰って寝ることにします。
 
前祭の宵山と後祭の宵山・巡行の写真は
この下か最上部のリンクから移動してください。

 
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