仁和寺
 仁和寺は、京都市街地の北西御室にある真言宗御室派の総本山です。
 最寄り駅は、嵐電(京福電鉄)御室仁和寺駅ですが、今回は、嵐電に乗るのは遠回りになるので、
 JR花園駅から歩く事にしました。
 
 仁和寺は、御室桜が有名で、行くなら桜の季節が最適ですが、
 今回は、仁和寺観音堂の解体修理現場を見学するため、11月1日(2015年)に行ってきました。
 
 観音堂の修理は、平成24年12月に始まり平成30年3月までの予定で現在(2015年12月)工事中です。
 今まででも何回か見学会はあったようですが、全て予約制でした。
 しかし今回は予約が不要で誰でも見られるということで、急遽行ってきました。
 
 文化財の解体修理の様子と、世界遺産に登録もされた、御室仁和寺の伽藍をご覧ください。


 仁和寺

仁和寺 二王門
仁和寺 二王門
JR花園駅で降りて、北に向かって歩いてきました。
距離的には大したことは無いのですが、
最後の方の坂がきつかった。
ようやく仁和寺二王門の前の通りに出てきました。


二王門 正面
二王門 正面
二王門の正面までやって来ました。

ここが、仁和寺の南の入口になります。
今日は天気がよく、思っていたよりも暑い。


二王門から
二王門から
二王門の下までやって来て境内を覗いてみています。
かなり広々とした印象です。
奥に見えているのが、中門です。


二王像(阿形)
二王像-阿形-
右側の二王像、阿形です。


二王像(吽形)
二王像-吽形-
こちらが左側の吽形です。


境内参道
境内参道
二王門から境内に入りました。
中門に向かって続いている広い参道です。


御殿 勅使門
御殿 勅使門
参道の左(西)側に、御殿の勅使門が有ります。
この中、御殿内は拝観できますが、
修理中の観音堂を先に見学することにします。
御殿は後ほど霊宝殿と合わせて拝観します。


中門
中門
広い参道の突き当たりにある中門です。
ここから中に、仁和寺の中心になる伽藍が配置されています。
解体修理中の観音堂もこの中にあります。


東方天
東方天
中門右(東)側を守る東方天です。
東方天とは四天王のうち東を守る持国天のことです。


西方天
西方天
こちらが左(西)側の西方天です。
四天王の西を守る広目天のことです。


瓦奉納受付所
瓦奉納受付所
中門を抜けて観音堂の近くまでやって来ました。
この左側が観音堂ですが、
その向かい側で、瓦奉納の受付をしていました。


修理中の観音堂
 修理中の観音堂
奉納受付の近くまで行くと、そこにおられた方に
修理中の観音堂が、無料で見学できるので
ご覧になってくださいと案内される。
これが、そこから見た観音堂の様子です。


観音堂内部
 観音堂内部
西南の角が入口になっていて
そこで受付を済ませ、
ヘルメットを支給され着用して中にはいりました。
下部の礎石の部分は修理(補強)が終わっているようです。


解体された部材
 解体された部材
解体された部材が、あちらこちらに置いてあります。
この部材はまた使用するようで、
修理・補強が施されています。


外された錺金具
 外された錺金具
この錺(かざり)金具は、随分錆びていますが、
磨いて再使用できるのでしょうか。


解体された部材
 解体された部材
こちらにおいてある部材は随分傷んでいるようです。
作り直しでしょうか。


扉と金具
 扉と金具
こちらは桟唐戸と呼ばれる建具で
既に修理は終わっているようです。


壁画?
 壁画?
観音堂の裏側に廻った所でこのようなものが見えましたが、
これは襖絵の裏側でしょうか?
でも襖ではなさそうですね。
壁画に和紙を貼って保護していると言う事でしょうか?


襖の下張り
襖の下張り
襖の下張り作業の説明図が有りました。
所々に修復作業の説明があります。


屋根の骨組み
屋根の骨組み
下の部分を一周して、階段を上がってきた所です。
屋根の部分ですが、かなり解体されていて
骨組みむき出しの状態になっています。


尾垂木
尾垂木
先端に突き出ている部材を「尾垂木」と言うそうですが、
先端部は意匠的な意味合いですが、
根元部分は軒を支える構造的な役割を果たしています。


銅鑼
銅鑼
銅鑼が吊るしてありました。
という事はここが正面の真ん中ですね。
これだけ近くで見ることはなかなか無いことです。


組織積上図
組織積上図
屋根の部分の組立説明図が有りました。
随分たくさんの細かい部材が使われています。


破損修理箇所
破損修理箇所
部材が破損していたのでしょうか。
既に新しい部材に交換されている箇所がありました。


錺金具の叩き出し
錺金具の叩き出し
錺金具の模様部分の叩き出し作業です。
実際の作業の様子を見学者に公開しています。


破損した肘木
破損した肘木
破損した肘木が展示されていました。
やはり、細くなった部分から折れていますね。
これは作り直しでしょうか。


妻飾の部材名称
妻飾の部材名称
妻飾の部材名称パネルが有りました。
これは観音堂の西側側面です。


組まれた部材
組まれた部材
かなり大きな部分が組まれた状態で、
通路横に立ててありました。


鉋がけ作業
鉋がけ作業
こちらでは、鉋がけ作業をされていました。
よくあんな格好で鉋がかけられるものです。


建造物彩色
建造物彩色
建造物に施されていた彩色と修復の説明です。
随分派手な色合いですが、
元々はこんな感じだったのですね。


軒の構造
軒の構造
軒の構造の説明図です。
出っ張った軒を支えるために
いろいろな工夫がされている事がわかります。


鬼瓦
鬼瓦
南西と南東隅の鬼瓦です。
これは破損も無いようですので再使用でしょうか。
これで一通り見終わったので
ヘルメットを返して北西の角から退出します。


観音堂
観音堂
観音堂から出てきて、北側から撮影しています。
観音堂の解体修理の見学が終わったので、
これから仁和寺の伽藍を見て廻ります。


大黒堂
大黒堂
北西の西門のすぐ横にある大黒堂です。
毎月28日には護摩供が行われます。


御影堂中門
御影堂中門
御影堂は、単独で築地塀で囲まれていて
この中門が中に入る入口になります。


御影堂
御影堂
境内、北西の角にある御影堂です。
弘法大師像、宇多法皇像、性信親王像を安置しています。


鐘楼
鐘楼
御影堂の東に鐘楼があります。
下部の袴のような板張りの覆いが特徴的です。
中の鐘が外から見えないのは珍しい。


金堂
金堂
本尊、阿弥陀三尊像を安置する仁和寺の本堂です。
御所 内裏紫宸殿を移築したもので、
現存する最古の紫宸殿です。(国宝)
仁和寺伽藍の北側、参道正面に有ります。


経蔵
経蔵
北東の角部分にある経蔵です。
内部には、総計768の経箱が収められています。


九所明神
九所明神
経蔵からやや南に下った東側に九所明神があります。
本殿、左殿、右殿の三棟あり、
計九座の明神を祀ります。
詳しくは、下の説明板をご覧ください。


九所明神説明板
九所明神説明板
九所明神の説明板がありましたが、
有名所をこんなに集めてしまっていいのだろうか?
なんか軋轢がありそうな気がする。


五重塔(南西方向から)
五重塔(南西方向から)
九所明神からさらに南に下った所に
観音堂と向かい合う位置に五重塔があります。


五重塔(西側から)
五重塔(西側から)
上の写真が南西方向から
この写真が西側から撮った写真です。


休憩所
休憩所
五重塔の南西の位置、
中門を北に入ってすぐの所に休憩所があります。
一見休憩所にはみえません。
周りの環境をよく考えた建物ですね。


参道
参道
中門から南に出てきた所です。
正面に見えているのが二王門です。
二王門から北に続く広い参道を撮ってみました。


まゆまろ
まゆまろ
二王門の前まで戻ってくると、
京都府のマスコットキャラクター「まゆまろ」がおりました。
役職は府の広報監ということで、
ではこちらのお姉さんは府の職員?


本坊表門
本坊表門
それでは、御殿と霊宝館の共通拝観券を購入し、
御殿の拝観に行きます。
ここが御殿の入り口、本坊表門です。


大玄関
大玄関
いま表門から入った所です。
見えているのが大玄関で、ここから上がって拝観します。


南庭と勅使門
南庭と勅使門
大玄関から上がって、右に向かって廊下を歩いて来たところです。
右手(東側)にご覧の南庭とその奥に勅使門が見えます。
広々とした白い砂の庭が印象的です。


白書院の襖絵
白書院の襖絵
廊下を渡って、まず最初の建物が白書院です。
これは、その部屋の中の襖絵です。


宸殿
宸殿
見えているのが宸殿です。
手前の庭を、「砂かき」で手入れを行っていました。
砂の紋様を合わせるのは大変でしょうね。
ゆっくり、ゆっくりかいていました。


南庭・勅使門・二王門
南庭・勅使門・二王門
同じ所から、振り返って南庭を撮影。
先程はみえなかった二王門がここから見えます。


渡り廊下
渡り廊下
宸殿から撮影しています。
左白書院と右宸殿をつなぐ渡り廊下です。


白書院
白書院
宸殿から白書院を撮影。


北庭
北庭
宸殿の北に広がる北庭です。
南庭に比べるとこちらは緑豊かなお庭です。
五重塔を借景になかなか風情があります。


北庭(その2)
北庭(その2)
同じく北庭です。
角度を変えて、宸殿の一部を入れてみました。
一人佇む女性。
動く気配がなかったので仕方なく入れて撮影しました。


宸殿内部の襖絵
宸殿内部の襖絵
こちらは宸殿内部の部屋の襖絵です。
なかなか華やかです。


黒書院の部屋内部
黒書院の部屋内部
こちらは宸殿に続く、
黒書院の部屋の内部の様子です。


霊明殿
霊明殿
黒書院に向かい合うように霊明殿があります。
これから左側の廊下を渡って霊明殿に向かいます。


霊明殿内部
霊明殿内部
霊明殿には、歴代門跡の尊牌が安置されています。
本尊は薬師如来です。


北庭と宸殿
北庭と宸殿
霊明殿から北庭と宸殿を撮影。
霊明殿の場所は少し高くなっているので、
見下ろした格好になっています。


本坊表門
本坊表門
御殿内部の拝観も終わり、戻ってきました。
本坊表門の所に「まゆまろ」がいます。
結構人気を集めているようです。


霊宝館
霊宝館
それでは拝観券のセットになっている霊宝館に入ってきます。
毎度のことですが、内部は撮影禁止なので、
写真はこれしかありません。


仁和寺全景の案内板
仁和寺全景の案内板
霊宝館を出て、東に歩いてきました。
こちら側の東門から帰るためですが、
東門の手前に案内板がありました。


東門
東門
こちらが仁和寺の東側の出入り口東門です。
これで仁和寺の見学拝観も終わりましたが、
ついでなので、目の前の蓮華寺によっていきます。


蓮華寺案内板
蓮華寺案内板
仁和寺東門を出て、目の前の坂を上がると
蓮華寺の境内に出ます。
そこにあった案内板です。


五智如来石仏群
五智如来石仏群
蓮華寺の大きな特徴が境内に並ぶ石仏群です。
前方に並ぶ五体の像が五智如来像です。
写真右から、薬師如来・室生如来・大日如来です。


五智如来石仏群
五智如来石仏群
残りの二体ですが、
大日如来の向こうが阿弥陀如来で、
その向こうが釈迦如来です。


後の石仏群
後の石仏群
五智如来像の後ろにも
石仏群が並んでいます。


後の石仏群
後の石仏群
後の石仏群の残りの分です。
後の石仏群については説明がないので詳細は分りません。
石仏は全部で十六体あります。


蓮華寺本堂
蓮華寺本堂
今年(2015年)改修されて新しくなった本堂です。
本尊は、阿弥陀如来です。


不動堂
不動堂
本堂の右隣に、不動堂があります。
五智不動明王が祀られています。

以上で仁和寺とついでに廻った蓮華寺の写真は終わりです。
お寺の建物の解体修理現場など、
なかなか見られるものではありません。
写真では伝わりにくいかもしれませんが、
梁や木組みの複雑さ、部材の多さに驚かされます。
皆さんも機会があったら見に行ってみてください。


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